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どんなにくじけそうでも 一人きり泣きたくても 今まで会った人たちの 笑顔を思い出してみてよ いつの日か夢見た あの丘まで もう一度みんなで バカ騒ぎしながら ゆくのさ 足を鳴らして 明日は今日よりもっと素敵に生きていたいから くよくよしないで失敗なんか気にしちゃいられない 悩みは自分に閉じ込めないで うちあけてほしいよ いつでも僕らはキミのそばで 見守っているから 僕らに誇れるものは 何ひとつ持ってないけど さみしいキミの横顔を 笑顔に変えてみせられるよ いつの日か夢見たあの丘まで もう一度みんなで バカ騒ぎしながらゆくのさ 足を鳴らして 明日は今日よりもっと素敵に生きていたいから くよくよしないで失敗なんか気にしちゃいられない 悩みは自分に閉じ込めないで うちあけてほしいよ いつでも僕らはキミのそばで 見守っているから lyric T.SHIINA 聴く この詩は、three someの代表曲とも言える初期の作品です。 このユニットは、アコギ2本とヴォーカル3人でやっていました。元気になる歌・夢のある歌などをやろうというコンセプトにつくられた3人組なので、このような詩は多いですね。押し付けがましいのは嫌ですが、ストレートな詩なので、聴いて元気になってくれればいいなと思いました。 戻る
https://w.atwiki.jp/penumbrajp/pages/164.html
CATEGORY Name="PreMenu" Entry Name="WelcomeMessage01" Welcome to Amnesia The Dark Descent! [br][br]What follows is a couple of quick messages on how to get the best possible experience. /Entry Entry Name="WelcomeMessage02" Amnesia should not be played to win. [br][br]Instead, focus on immersing yourself in the game s world and story. /Entry Entry Name="WelcomeMessage03" Do not worry about when and how to save during gameplay, the game will take care of that for you. [br][br]When you want to leave the game, just choose "Save and Exit". You can then use "Continue" to return to where you left off next time you start up the game. /Entry Entry Name="WelcomeMessage04" The world of Amnesia is a dangerous place and you are extremely vulnerable. [br][br]Do not try to fight the enemies encountered. Instead, use your wits. Hide, or even run if necessary. /Entry Entry Name="WelcomeMessage05" The interplay between light and dark is very important to the game and because of this it is vital to set up the gamma correctly. Use the slider control below to do so. Adjust it until the square at the right is barely visible. [br][br]Also make sure to play in a dark room and wear headphones for the best effect. /Entry Entry Name="WelcomeMessage06" That is all. Hope you enjoy immersing yourself in the world of Amnesia.[br][br][br]- Frictional Games /Entry /CATEGORY 翻訳文 CATEGORY Name="PreMenu" Entry Name="WelcomeMessage01" Amnesia The Dark Descent へようこそ![br][br]幾つか、可能な限り最高の体験を得る為のメッセージを案内しましょう。 /Entry Entry Name="WelcomeMessage02" クリアにこだわって Amnesia をプレイすべきではありません。[br][br]それよりも、ゲーム世界やストーリーに没頭する事へと集中しましょう。 /Entry Entry Name="WelcomeMessage03" ゲームのプレイ中、いつ、どうやってセーブするかは気にしないで下さい。 自動的に処理が行われています。[br][br]ゲームを終了する時には、単に 「セーブして終了」 を選択し、 次回ゲームを立ち上げた時には 「続きから」 を選択すれば再開することが出来ます。 /Entry Entry Name="WelcomeMessage04" Amnesia の世界は危険であり、 また、あなたはとても脆弱です。 [br][br]敵に遭遇しても戦おうとせず、代わりに、機転を働かせましょう。 場合によっては、隠れたり、走って逃げたりする事さえ必要です。 /Entry Entry Name="WelcomeMessage05" 明かりと暗闇の交錯はこのゲームに於ける重大な要素です。 その為、適切に明るさを調節する事が極めて重要です。 以下のスライダーコントロールを使用して、 右側の四角がちょうど見えなくなる程度に調節して下さい。 [br][br]尚、暗い部屋でヘッドホンを身に付けてのプレイが最も効果的でしょう。 /Entry Entry Name="WelcomeMessage06" 以上で全てです。 Amnesia の世界を存分にお楽しみ下さい。 [br][br][br]- Frictional Games /Entry /CATEGORY
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暗い部屋の中、アルファベットが刻まれた板が並ぶ それが、光を放ち始め……「組織」上層部会議が、始まった 『朝比奈 秀雄の確保に失敗したか』 『「薔薇十字団」如きに、先を越されるとは…』 『現場には、D-No.962がいたのだろう?どうなっている!』 『あの男は「薔薇十字団」とも縁がある…そちらに譲ってしまったのだろう』 強硬派・過激派の上層部メンバーが、口惜しそうにそう口にする 「組織」の存在理由上、一般市民への対応を優先せざるをえず、騒動の中心人物である朝比奈 秀雄の確保に失敗してしまったのだ 「薔薇十字団」の保護下に入られては、手を出す事はできない どちらかというと、他組織とは中立的な立場を貫いている「薔薇十字団」と敵対することは、「組織」として得策ではないのだ 特に、「アメリカ政府の陰謀論」との仲がこじれている現状では、尚更だ 『朝比奈 秀雄から解放された「黄金伝説」のドラゴンをある程度確保できたのじゃ。それで、良しとすればよかろ?』 『問題は、「薔薇十字団」が確保したドラゴンと、朝比奈 秀雄の中に残っていたドラゴン。それを合わせても、一匹足りないと言う事だが…』 『足りない個体はどれだ?シルスウェルのドラゴンではないだろうな?あれは、疫病をばら撒くから厄介だぞ』 『…タラスクス。甲羅持つ竜だな、行方がわからないのは』 「黄金伝説」のドラゴン それを確保できれば、「教会」との取引材料になる そもそも、「黄金伝説」のドラゴン達は、「教会」が厳重に封印していたはずの存在なのだ …それが、朝比奈 秀雄と言う、一人の日本人がどこからかそれと接触し、契約してしまった 「教会」の失態だ しかも、それと契約した存在が、日本で騒ぎを起こした その暴れたドラゴンを、「組織」が確保すれば…それは、「教会」との取引のカードになりうるのだ 出来る事ならば全てを確保したかったが、「薔薇十字団」に先を越されてしまった分は仕方ない やはり、問題となるのは、行方がわからないタラスクスだ 「黄金伝説」のドラゴンは、一体一体が強大な存在であり、もし万が一にでも暴れ出したら、大変な騒ぎになる 何か問題を起こす前に、何としてでも確保しなければならない ……実際には、タラスクスは既にハーメルンの笛吹き契約者事上田に捕獲されているのだが、「組織」はまだ、その情報を把握していないのだ 近々、その情報を把握そ、ハーメルンの笛拭きを討伐対象に戻すか否かで、また大問題が起こるのはもう少し先の話だ 『タラスクスについては、CNo及びSNoが追跡調査。ただ、無理はしない事だ』 『朝比奈 秀雄に関しては、「薔薇十字団」との交渉で、少しはこちらが受けた被害の賠償でもしてもらうか』 …もっとも、朝比奈 秀雄から受けた被害の大半は、中途半端に彼にちょっかいを出した強硬派や過激派が中心な訳で 穏健派としては、自分達が受けた被害よりも、朝比奈 秀雄が罪の償いをすることに関して、重点をおくのかもしれないが 『それでは、今回の議題は終了とするが…………他に、何か話し合うべき問題はあったか?』 『あぁ、以前、妾が提案したことについてだが』 …H-No.0の発した、その言葉に 強硬派と過激派が、反応を示す 『全ての黒服に、人間としての名前をつける事を義務付ける…であったか?馬鹿馬鹿しい。「組織」の歯車に名前などいらん』 『その考え方が問題だと言うておるのじゃ。お前達がそうやって、黒服や契約者を使い潰すから、いらぬ敵まで増やしてしまうし、力をそがれていっておるのじゃぞ?』 全ての黒服に、名前を持つ事を義務付ける それは、H-No.0が提案した事だ つまり、純粋な「組織」の黒服にも名前を与えるという事 …人格を認める、と言う事だ 黒服を「組織」の歯車としてしか見なさず、道具のように扱う者が多い強硬派や過激派にとっては、厄介な思想である だからこそ、と言う訳でもないが H-No.0としては、是非とも通したい提案なのだ 『俺、さんせー。いいんじゃないか?名前くらい』 『S-No.0、珍しく発言したと思ったら…』 『俺も、賛成だ。正直、人の姿をした者を道具扱い、ってのは嫌だしな』 『…G-No.0…!』 日和見派…と言う事になっているS-No.0や、H-No.0と同じく穏健派であるG-No.0が、H-No.0の考えに賛同する 発言権を強めている、穏健派達 そうとは言え、強硬に考えを通そうという気はない ただ……相手が折れるまで、この考えは主張し続けるつもりだ これ以上、強硬派や過激派達に、黒服や契約者を使い捨てるような行為はさせたくない それ以上に何とかしたいのは、非人道的な実験は禁止していると言うのに、未だにそれを行っている者がいる、と言う事だ つい先日、死亡したQ-No.0も、かなり非人道的な実験を行っていたようだし 元・H-No.0の部下であるH-No.1も、裏で何をしているかわからない ……まだまだ、「組織」は歪なのだ それでも、彼らは存在し続ける 都市伝説の存在を、一般市民から隠す為に そして、穏健派は願う 「組織」が、人間と都市伝説とが、必要以上に争う事がないよう、その間に立てる存在になる事に 人間にも、都市伝説にも、優しい存在になれる日を …D-No.0が望んだ「組織」の形を実現できる日を 今でも、彼らは模索し続けている to be … ? 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
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『magnet -不幸せな恋でも-』 薄暗い部屋。淡いネオンの光が、二人を妖しく魅せる。 「……こなちゃん」 「んっ……何も言わないで……つかさ」 不安そうにこなたを見るつかさ。その口をこなたの指が止める。 そのままつかさの髪を撫で、唇が重なった。 「好きだよ、つかさ」 「こなちゃん……愛してる」 互いに互いを確かめるように、でもその言葉は決して嘘じゃない。 ただ単純に声に、言葉にして伝えたかった言葉。 薄暗い部屋。淡く光るネオン。真夜中の深い闇に呑み込まれないように、二人は白いシーツの海に互いの身体を重ねた。 例え報われない恋だとしても…… いつか離れてしまうその時まで…… 今はただ、この愛情の中で甘えていたい…… magnet- 私はつかさが好き。でも解ってる…… それがどんなに常識から反しているか- でも私はつかさが好きなんだ! あの幼気な優しいつかさが大好き。 でも現実はそれを許してはくれない 同性愛- 所詮は報われることのない恋 もし……もし例えその恋が実ったとしても、周囲の目が怖い……… でも、つかさは私に言ってくれた。 もうどうにも出来なくて、抑えていた気持ちを伝えたくて、今にも泣き出しそうで、今にも逃げ出したい程の私が初めて伝えた『言葉(告白)』をー…… 『私も! ……わ、私も好きだよ! こなちゃん』 -嬉しかった。もう絶対ダメだと思っていたのに、つかさは私を好きだと言ってくれた- でも同時に不安もあった これでつかさと付き合っていって、周囲の皆の目がそれを許してくれるか……… でもそんな心配も余所に、つかさは言った。 『私も今までずっと、こなちゃんの事好きだったんだけど……怖かったんだぁ~でも……これからはどんな事も二人ならきっと……ね♪』 あ……もぅ、やっぱり つかさには勝てないよ…… でもさ、つかさがあの時、そう言ってくれたから、私もつかさとどんな困難な壁も乗り越えて行けるって、思ったんだもん! 『-二人なら、幸せも痛みも二等分-』 きっとこの言葉はそう言う事なんだね。 …………… ……… …… … 「……こなちゃん、泣かないで? 」 つかさに言われて気づいた。いつの間にか昔の事を思い出していたみたい 私を心配して抱きしめた。 あれ? でも何でつかさも泣いていたの? もしかして、つかさも私と同じ夢でも見てたのかな? だから私も抱きしめてくれたつかさをぎゅ~って、してあげた。 「こなちゃん……好き」 「つかさ……私も…だから、もっと愛してね? 」 薄暗い部屋で、淡いネオンの光だけが照らすこの部屋で、夜の闇に呑まれないように、二人は再び愛し合うー…… END- ■作者別保管庫(5スレ目)に戻る コメントフォーム 名前 コメント
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スペースチャンネル5 当Wiki連絡用掲示板内「差し替え・追加スレッド」-424~429 424 :名無しさん:2013/06/06(木) 20 24 56 ID ??? なぜかパート2はあるのに、初代がwikiにないスペースチャンネル5を書く。 ドリームキャストとプレステ2のゲーム。音ゲー。 25世紀。モロ星人と呼ばれる宇宙人達が地球を侵略、当たった人は踊り続けるビームで地球人を襲う。 宇宙放送局スペースチャンネル5は、リポーターである主人公「うらら」を派遣し生放送を開始。 モロ星人達のステップをやり返す事で撃退・踊る人々を解放できる事がわかり、うららは踊って、時にはビームで、モロ星人たちを倒していく。 うまくダンスするとシチョーリツも上がる。失敗すると下がる。 425 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 25 41 ID ??? 西暦2489年。 ピンクの宇宙服を着た少女が、宇宙を漂っている。 「こちらチャンネル5。スペースシップ遭難事故の行方不明者、最後の一人を発見しました」 青い宇宙服を来た人物がそれを抱きとめる。 「よく頑張ったな、もう一人じゃないぞ」 十年後。 宇宙船の飛行場に突如、たくさんのUFOが飛んでくる。 中からモロ星人が降り立つ、モロ星人たちは逃げまどう人々にレーザー光線銃を撃っていく。 宇宙を漂う放送局「スペースチャンネル5」。 宇宙放送艇「アストロビート号」に乗るうららに、ディレクターのヒューズから通信が入る。 通信「スペースポートで事件だ、宇宙人が人々を踊らせているという情報が入った。うらら、アストロビート号で発進するぞ」 「了解!」操縦席に乗ったうらら。アンテナの突いた宇宙放送艇が現場へと向かって飛び立つ。 『うらら登場!の巻』 逃げまどう人々で一杯のスペースポート。マイク片手にうららは進む。ちなみにこの時点のシチョーリツは10%。 「皆さん、こんばんは。今夜のうららリポートショーは、スペースポートに襲来した宇宙人が人々を踊らせているという、異常事態を生放送します」 ヒューズからの通信。以降、通信=ヒューズ。 通信「通信状態良好。うらら、はりきって行け」「了解」 歩き続けると、踊るモロ星人三人と、バックで踊る人々が二人いた。 「ご覧ください、宇宙人です! 後ろの人は踊らされた人でしょうか」 画面上部ににテロップが入る。ニュース速報:宇宙人の動きをマネるのが有効! 通信「宇宙人の動きに注意しろ! リズムに合わせて入力だ」「レッツダンス!」 「救出成功です!」通信「なかなか決まってたぞ、うらら!」 助けた二人がバックダンサーになる。つき進むうらら。 通信「注意しろよ……物陰からくるぞ、宇宙人にはAボタンビームが有効だ」「了解、レッツチュー!」 飛び出してくるモロ星人たち。ステップに合わせてAボタンビームで撃退するうらら。 通信「地球人にはBボタンビーム」ニュース速報:地球人にはBボタンビーム 飛び出してくる地球人達を、ステップに合わせてBボタンビームで救出。「完璧に救出しました」 その後もバックダンサーの地球人を増やしていく、カメラを撮るスペース・ニホン人などを助けシチョーリツもあげていくうらら。皆で突き進む。 管制塔の屋根の上を歩くうららと一同。丸い屋根の上を音楽に合わせて突き進む。 「管制塔にやってきました。情報によると出動したスペースレスキュー隊が、ここで踊らされているとの事です」 通信「宇宙人、接近。滑って落ちんなよ」「了解……レッツシュー!」 出てくる敵を打ち倒すうらら。「救出大成功です」画面を何者かが横切る。通信「おい、なんだ今の奴は!?」 青い服の女が、画面の真ん中に登場する。 「はぁい、みなさん、こんばんは。プリンで~す」通信「同業者か?」 「リポート見るなら42チャン」通信「負けるな、うらら」「了解」「「踊りで勝負よ!」」 プリンに踊りで勝つと、相手の親衛隊のギターがバックダンサーになる。「チャンネルはそのまま」 「発射台にやってきました、なんでしょう、怪しい気配がギュンギュンします」 通信「何かが接近、注意しろうらら!」「了解」 ピンク色のデカイ何か、ココ★タピオカがUFOから落ちて地面に着地。 「生物でしょうか? ロボットでしょうか? とりあえず踊ってみたいと思います!」 踊り勝っていくと、口を開けて黄色い足の生えた奴がたくさん出てくる。 「ご覧ください、ボスの口から何か出てきます」通信「なんじゃこの黄色い奴らは!?」「レッツシュー!」 黄色い奴らを撃ち倒していくと、タピオカがあらぶり始める。「あ、怒っています。激しく怒っています」通信「もう少しだ! 気を抜かないで行け!」 大きく開いて光り輝くタピオカの口に、ステップに合わせてビームを放つうらら。タピオカはその場で後ろに倒れた。 「以上、スペースポートよりうららがお送りしました。――スペースチャンネル5」通信「ハイ、カット!」 426 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 26 23 ID ??? モロ星人たちが暗い部屋で、大きな机を囲んで会議している。 「あまり踊らせられなかったモロ! なんか邪魔も入ったモロ!」 「そ、その件につきましては…」 「言い訳はいいモロ! 次の作戦を言うモロ?」 「は、はいモロ! 今回の敗北原因があまりにも「正直すぎた」のでは? という分析結果を考慮し…「卑劣で卑怯、けど優雅」というコンセプトの作戦を練ったモロ」 「いいモロね」 「そのための舞踏メカはこちらモロ」 大きな扉の上のビジョンがアップになる。「おおーーっ」 『スペースシップ SOS!の巻』 「みなさんこんばんは。今夜のうららリポートショーは、宇宙人が踊り暴れるスペースボート客船から生中継でお送りします」 画面が切り替わる。「コックピットまできました」通信「気を抜くなうらら、前方に宇宙人反応」「了解、レッツシュー!」 モロ星人たちを倒し、乗組員を救出。「救出大成功です」通信「おー、いい感じ。まわれー、右」 コックピットから出て行こうとするうらら達。 「は!? 前方に踊らされたスペースシップキャプテンです!」 通信「うらら、歌って踊って救出だ!」 モロ星人を踊り倒したうらら。キャプテンがバックダンサーになる。通信「うらら、次はビッフェに向かえ」「了解」 通信「あ、まだいた、チューと言ったらAボタンビーム」「了解」 銃を撃って、モロ星人を倒すうらら。「チャンネルは、そのまま」通信「ビューティフルシューティング!」 「ビッフェにやってきました。美味しい匂いがぎゅんぎゅんします」 通信「気を散らすなうらら」「了解」ニュース速報:各方向に出現する集団は、左のヤツから撃ってくるぞ「レッツシュー」 モロ星人と客が混じって出てくるのを的確に倒し、救出。「完璧に救出しました」通信「大変よくできました、うらら」 「スペーススーパーモデルが踊らされています」通信「うらら、救出して差し上げろ」「レッツダンス!」 モロ星人を踊り倒し、スペーススーパーモデルをバックダンサーにしたうらら。 そのまま突き進むが、音楽が小さくなる。宇宙船の外を見ると別の宇宙船が登場する。 宇宙海賊放送艇「バッドチューニング号」が外にあった。 「スペースチャンネル5、番組をいただくぞ」 「なんですって!? きゃ!?」 画像が砂嵐になり、「しばらくおまちください」とメッセージが出る。 通信「どうしたうらら、何が起こっているんだ!? 放送システムチェック急げ!」 画像が戻ると男たちが踊っている。通信「や、やつらは!? 宇宙海賊放送局!」「え?」 「私の名前はジャガー♪(バックコーラス付き)。真実を伝えるのは我々だ! ……邪魔するなら」「「踊りで勝負!!」」 長いステップを覚えて、ジャガーを踊り倒す。一人バックダンサーを貰う。 「以外とやるじゃないか。また会おう」「待って!」去っていくジャガー。 通信「うらら、次はパノラマ展望室へ向かえ……あ、まだいた、チューと言ったらAボタンビーム!」 「撃ちます」モロ星人を倒すうらら。「チャンネルはそのまま」通信「デラックスシューティング」 「パノラマ展望室へやってきました……ああ!」 「UFOの母艦はすでに撤退を始めているぞ、追わなくていいのかチャンネル5」 UFOを追う海賊放送局の宇宙船。くやしそうな声を出すヒューズ。通信「ジャガーめ!」 「あ、なにかが転送されてきます。タコでしょうかイカでしょうか」 触手の生えたロボット。えっちいな舞踏メカ『モロリ~ナ』。 通信「小学生たちが捕まっているらしい!」 先生「あー、生徒たちが!」通信「まだキッスが優先だ!」 小学生「きゃー、お姉さん助けて!」通信「小学生にはBボタンビームで救出」ニュース速報:スペース小学生にはBボタンが有効 的確に触手の先のモロ星人とスペース小学生を撃っていくと、メカが爆発し出す。 「ボスがシクシクしています。でも、これで終わるとは思えません……やっぱり動き出しました」 通信「まずい、重力がなくなった」ニュース速報:重力発生装置が破壊されました 互いに浮いた状態で、それでも的確に撃っていくうらら。大きな舌がメカから出てきてうららを巻き取る。 「きゃー! 巻かないで!」通信「うららー!」 「ぬるぬるします! 激しくぬるぬるしています!」 その状態でもステップに合わせて撃ちまくるうらら。そして撃破する。 「以上、スペース豪華客船より、うららがお送りいたしました。――スペースチャンネル5」「うららさん、ありがとう」通信「ハイ、カット」 427 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 27 01 ID ??? モロ星人たちが暗い部屋で、大きな机を囲んで会議している。 「やばいモロ! UFOが追跡されて、秘密基地の位置がばれたモロ!」 「そ、その件につきましては…」 「言い訳はいいモロ! 対応策を言えモロ?」 「は、はいモロ! すでに、あの秘密基地周辺に「隕石型踊らせミサイル」を、基地内部通路に「精鋭部隊」を、そしてとどめの中心部には最強の舞踏メカを配置したモロ」 「なかなかいいモロね」 「ちなみに最強舞踏メカはこちらモロ」 大きな扉の上のビジョンがアップになる。「ひょーーっ」 『突撃! スクープ争奪戦! の巻』 「みなさんこんばんは。宇宙人の秘密基地が、ここアステロイド地帯にあると発見しました」 通信「遅れをとるな! スクープ持ってくるんだ! ここでは何でもかんでもAボタンビーム!」ニュース速報:なんでもかんでもAボタンビーム 隕石を、ついでに同業者たちを撃ちまくるうらら。途中、海賊船が巨大隕石を撃破する。そしてジャガーが飛んでくる。 「またチャンネル5か……いくぞ!」 飛んでくるジャガーの海賊たちを、撃墜するうらら。 「なかなか、やるな」 「リポート見るなら42チャン」通信「プリンに先を越された!?」追いかけるうらら。 基地内の通路はカラフル。警告速報:部屋を明るくしてTVから離れてね 乗り物で追いかけるうらら。モロ星人達が邪魔をする。 「た、助けてくれてもよくってよ?」通信「踊らされているのはプリンか!?」「はやく助けてー」 モロ星人精鋭を踊り倒すうらら。去っていくプリン。「一応、ありがとう」 突き進んでいくと上下左右からモロ星人が出てくる。撃ち倒すうらら。 「ついに中心部にやってきました……TVです、とても大きなTVがあります。怪しい気配もぎゅんぎゅんします!」 最強舞踏メカ『モロリン! モンロー!』。 画像の中に一つの目玉を持った丸いモンスターが出てくる。撃ち倒していく。 「ご覧ください、モニターの中から何か出てきます。あ、ぷるぷるしてる」通信「なんじゃこりゃ!? これが奴らのボスか!?」 でっかい緑とピンクが合体したロボットが出てくる。踊り倒していく。 メカはぐるぐる回転し、二体に分かれる。 「なんと今度は分裂しました! ちょっとピンチの予感です!」 ステップを着実に決めるが、敵メカからの一撃を喰らい膝をつくうらら。 「その程度か、チャンネル5」通信「しまったジャガーに追いつかれた!」 「逃げるなら今のうちだぞ?」「負けないわ!」 一緒に銃を撃ってくれるジャガー。 メカは今度は人質とモロ星人を混ぜてくる。ニュース速報:モニタをよく見て撃ち分けよう! うららは的確にモニターを倒し、ジャガーは敵メカを攻撃、撃破する。 通信「よし、スクープはバッチリ取れたぞ! よくやったうらら!」 「ごらんのように宇宙人基地を壊滅させました。これで地球にも平和が訪れるでしょう。以上、秘密基地よりうららが…」 通信「テレビの様子が変だ」 画像にはモロ星人がビームを撃つ所。「踊らせろ! 踊らせろ!」。 「やあ、なに!? この映っているのは……これは洗脳放送?」 モロ星人に囲まれるうらら。通信「テレビだ、テレビを撃つんだうらら!」「了解!」 うららのビームで破壊される巨大テレビ。モロ星人たちが自由になる。通信「やつらも踊らされていたのか」 「大変、基地が崩れる、みんな逃げて!」緊急警告:部屋を明るくしてTVからはなれよう 今まで来た道を全速力で逃げるうらら。爆風が追いかけてくる。 通信「うらら脱出を急げ! 宇宙人たちもAボタンビームで救出だ!」「任せて!」 炎にまかれて吹っ飛んでくるモロ星人たちを救出しながら、脱出する。 通信「炎が迫ってるぞ、急げ!」通信「さらに迫ってるぞ、急げ!」通信「もう、すぐうしろ!」 「ちょっと熱いです!」通信「こらえろ、出口は近いぞ!」 「了解!」通信「あらかた脱出!」 そのときジャガーから通信が入る。 「洗脳放送の放送元が特定で来たぞ! チャンネル5の周波数と同じはずだ! なぜなら」通信「なんて言った!?」 「脱出しまーす!!」通信「ハイ、カット」 428 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 28 05 ID ??? モロ星人たちが暗い部屋で、大きな机を囲んで会議している。 「え!? 我々って洗脳されてるモロ? そうなのモロか!?」 一人、通路を誰かが進む。 「ワ、ワタシに聞かれましてモロ…」 「む、そうだモロよな。うん…。たぶんそんなコト無いモロよなあ…」 二人、通路を誰かが進む。 「次の作戦、いくモロ! やはり理論先行の作戦は、我々に向かないのではと考え、欲望の赴くままに最初にまず、メカをつくってみたモロ」 「なかなかいいモロね」 三人、通路を誰かが進む。 「こんなカタチになった…モロ!?」 大きな扉の上のヴィジョンがアップになる、しかし画像は映らず代わりに扉が開いた。 光り輝く扉の奥、うらら・ジャガー・プリンの三人が立っていた。 『銀河最大の悪を暴け! の巻』 「チャンネル5局長のブランクさん。罪のないモロ星人を操っていたのは、あなたですね」 モロ星人の座る大机の奥に、男が座っていた。 「私の踊りとマイクで、真実を暴いて見せるわ」 うらら、そしてその後ろでジャガーとプリンが踊る。そして突き進む。 「みなさん、こんばんは。今夜は宇宙人襲来の真相究明リポートを、とことん追っていきたいと思います。犯人はどうやら、そこに座っている男の様です」 部屋の奥に座っている男。スペースチャンネル5局長「ブランク」がいた。 「はっはっは」通信「本当に局長が犯人!?」「あなたたちはブランクにあやつられているのよ。目を覚まして」 通信「洗脳を解くにはデラックスAボタンビーム」ニュース速報:宇宙人には、デラックスAボタンビーム!! 襲い来るモロ星人を撃ち倒すうらら。ワーイと言って飛んでいくモロ星人。ブランクが消える。通信「ブランクが逃げたぞ」 モロ星人たちをバックダンサーに、扉を開けて追いかけるうらら。通信「注意しろ、警備システムが操作されている」 「了解。……マイケルです、スペースマイケルが踊らされています」 踊らされた「スペースマイケル(本人)」。ダンスの合間にフォウッと相槌を打ってくれる。通信「全力で行け、うらら」 モロ星人を撃ち倒し、地味に本気で踊っているマイケルをバックダンサーにする。 通信「十点、十点、十点! パラララララ、ヒュウ!」 突き進むうらら。通信「ブランクはコントロールルームへ逃げたぞ」 「了解」通信「あ、侵入者撃退砲台が狙っているぞ」 「撃ちます!」つり下がった砲台を撃つうらら。「チャンネルはそのまま」通信「ステキー」 薄暗いコントロールルームを歩くうらら。下に向かって飛びおりる。 「ブランクは果たして、どこにひそんでいるのでしょうか?」通信「うらら来るぞ、落ちついていけ」「レッツダンス」 モロ星人を踊り倒し、踊らされたキーボードギャルを助ける。「救出成功です」いつもの音楽にキーボードが足される。 うらら達が突き進むと、大きな扉が開く。たくさんのモニターに囲まれた空中にある大きな椅子、そこにブランクが座っていた。 「ブランク!」「ふむ、お前の様なリポーターがうちにいたとはな。真実を知りたければ上がってくるが良い」「まてー」 椅子が天井へとせり上がって消える。うらら達の前にモロ星人が立ちふさがる。それらを倒し、エレベーターへ向かう。 通信「この先のメインアンテナへ向かえ」「了解」通信「最後の最後にまだいた、いくぞ」 撃ち倒し、うららは画面に向かって言う。「ブランクを追います」通信「すてきー」 真っ暗な部屋へと辿り着く。ブランクの言葉が聞こえる。 「真実を求め過ぎるリポーターには、残念だが消えてもらおう」 うららがライトアップされる。前方に大きなロボットの群が、そしてその先頭に人型サイズのロボットが下からせり上がってくる。 うららそっくりの白と緑のロボット。パーフェクトリポーター「イビラ」。全体が光り輝く部屋に、対峙する互い。 「リポーターは私のために、シチョーリツさえ稼いでいればよい、この子の様にな」 イビラはロボット声でしゃべる。 「私はイビラ。完璧なリポーター。うらら倒す」通信「魂なきリポーターにうららが負けるか!」 序盤のダンス勝負でうららが競り勝つ。 「どうしたんだ、お前は完ぺきなはずだ!?」通信「なかなかいいぞ、その調子だ!」「私が踊りで負けるもんか!」 そしてうららが踊り勝った。 「ただの操り人形に、リポーターは無理だった様ね」通信「!? うわ、うらら、助けてくっ!?」 停止するイビラ達。そして全周囲の天井と壁が開き、宇宙が見える。 429 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 29 32 ID ??? ニュース速報:ディレクターが宇宙中継艇ごと捕まった模様 巨大なオレンジ色のロボットが外にいた。その手に宇宙中継艇を持っている。 「消えてもらうと言ったはずだ、うわっはっはっは!」「ディレクター!」 お立ち台の様な小型の乗り物が宇宙から飛んでくる。それに飛び乗るうらら。ジャガーとプリンも別々の物に乗ってついてくる。 通信「うらら、逆転だ! システムの逆方向に入力してからAボタンビーム!」続報:指示とは逆方向に入力してからAボタンビーム!! ジャイアントイビラが宇宙中継手を手に、ミサイルを出してくる。ジャガー・プリンと共に迎撃。 「シチョーリツが上がればいいんだぁあああ!!」「きゃあああ!!」「プリーン!」 プリンがぶん殴られて、ぶっ飛んでいく。怯まず攻撃するうららとジャガー。 「真実など必要ないのだ!!」「うおおおお!?」「ジャガー!」 ジャガーもぶっ飛ばされる。それでも一人、戦い続けるうらら。しかし、曲が止まる。 通信「サウンドシステムが、きょく、が、っ」 音楽がなければステップを踏めず。ミサイルが次々と直撃。吹っ飛ばされるうらら。 宇宙を漂ううらら。 そこにジャガーの乗った、宇宙船が助けに来る。うららを助けてくれた十年前の出来事に酷似していた。 「うららよく頑張った、もう一人じゃない」「じゃ、ジャガー」 うららは乗り物に戻る。 BGMは消えたまま。だが、たくさんの人々の声がアカペラで音楽を作り出していた。それに合わせてステップを踏んで攻撃するうらら。 ジャイアントイビラの頭が飛んで変形。大きなモニターになる、そこにブランクが映っていた。 洗脳放送発信メカ『ブランクTV』。 「シチョーリツこそが、シチョーリツこそが、し、シチョーリツこそが人生そのもの……洗脳放送で宇宙人を操って何が悪い!! 全てはシチョーリツのために!!」 「お聞きいただけたでしょうか? 今回の騒動の黒幕が、自ら白状しました」 うららに「ブランクTV」が襲いかかる。うららがTVに取り込まれる。 今まで助けてきた人が、モロ星人が、メカが、たくさんの人々がブランクTVの前に集まってくる。 「うらら頑張れ!」 たくさんの人がうららに合わせて声を出す。もっともっとたくさんの人が集まってくる。 「うららガンバレー!」 踊り勝っていくうらら。テレビから脱出し、たくさんの人々の前に着地する。マイク片手に、指をさす。 「みんないくわよ!」みんな「Let s Dance!!」 全員同時にブランクTVに対して踊る。苦しむブランクTV。 「し、シチョーリツが……」通信「今だ! 皆の踊りエネルギーをアンテナに集めるんだ!」 うららは踊る。「了解! ブランク、悪さが過ぎた様ね!」 ジャガーも踊る。「真実を歪める奴は許さん!」 プリンも踊る。「リポーターを道具扱いする奴も許せない!」 モロ星人たちも踊る。「あやつるなんて酷いモロ!」 「さあ、みんなで一緒に決めるわよ!」通信「タイミングを外すなよ!」 アストロビート号の巨大アンテナに光が集まっていく。収縮した光がブランクTVを吹き飛ばす。「まーた来週」 ブランクTVは宇宙のかなたへと、飛んでいった。踊り喜ぶ人々の前で、うららが冷静にリポートした。 「モロ星人の疑いが晴れて良かったですね。以上、モロ星人襲来の真相究明リポートをうららがリポートしました。スペースチャンネル5」 通信「銀河一、良かったぞ、うらら」「さあ皆、銀河の果てまで行進よ!」 アストロビート号が、宇宙に光の橋をかける。そして今までのキャラクター達が、その上を更新する。 スタッフロールが延々と続く。 モロ星人「アップ」 うらら「アップ」 通信「ハイ、カット!」ちなみに失敗すると通信「おいおい」。 二週目はミス無しだとEXという、それぞれの中間地点の別ステージに行ける。そのステージの始まり・終わりは同じ。
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【登録タグ MEIKO S td 曲】 作詞:td 作曲:td 編曲:td 唄:MEIKO 曲紹介 歌詞 (td webより転載) きかせて あなたの心の歌声 私をあなたの隣にいさせて いつでも悲しい思い出ばかりが 私の心を締めつけさいなむ 薄暗い部屋から私を連れ出して ぎゅっとその手 つないだまま 離さないでいて 私の心に翼を授けて 私はいつでもあなたを待ってる 薄暗い部屋から私を連れ出して ぎゅっとその手 つないだまま 離さないでいて きかせて あなたの心の歌声 私をあなたの隣にいさせて 私の心に翼を授けて 私はいつでもあなたを待ってる コメント 名前 コメント
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ただいま。と一つ誰もいない部屋に溢した言葉は闇に消えた。 お帰り。と電気をつけながら返事をした。込み上げる涙を、ぐいと袖で拭った。 服を脱ぎ捨てて風呂場へ向かう。鏡を見つめながら、ネックレスに手をかけて、やめた。 鏡に写ったチェーンを指でなぞりながら、それが一つの輪に辿り着いたときにまた涙が零れた。 相手のいない指輪。一つは私の左手の薬指。一つは私の首元に。 首元の指輪を握って、引きちぎってやろうといつも思う。 でも、彼女の歯ブラシを見る度に力が緩んでしまう。 我ながら、バカだと思った。 ──会いたい。君を思い出したこと。 退院しようとした日、病院の玄関で世話になった医者に挨拶してる時だった。 ぱたぱたと駆け足で私達の方へ走ってきたのは私の担当だった看護師。 右手を高く上げて、何か言いながら駆け寄ってくるが、院内で大声を出すわけにいかなかったらしく、その声は聞き取れなかった。 やっと私のとこに着いたその看護師は右手に持っているそれを私に見せてくれた。 「はぁ、疲れちゃった……。あ、これ、ベッドの下に……はぁ」 相当走ってきたらしく、息も切れ切れに、とそこまでではないが、シルバーに輝くそれは間違いなく指輪。 「高価そうなものだったので。お忘れものじゃないですか?」 薔薇をモチーフとしたそれは、間違いなく──。その時、頭を酷い衝撃が襲った。 水銀燈、──水銀燈は。 「……私のです」 「そうですか。よかった」 私の手のひらにそれを落とすと、看護師は忙しいらしく再び走っていった。 「真紅さん、真紅さん? どうしました?」 「えっ、あ、すいません。ぼーっとしてまして」 「まだちょっと本調子じゃないので、安静に。激しい運動はダメですよ?」 「はい、ありがとうございます」 医者に向かって深くお辞儀をする。彼が院内に入っていくのを見届けると、指輪の握られた拳をぐっと握った。 「水銀燈……」 私にとってその名の存在は、もうこれまでとは変わっていた。 世話になった学園長に挨拶に行った後、自分の寮部屋に戻った。 何度も見慣れた光景。しかし、圧倒的に違う箇所があった。 「水銀燈、ごめんなさ、……っ」 彼女の荷物は何一つ残っていなかった。もともとあった机と小さなテーブルと、ベッド。 無機質なそれは、水銀燈との暖かかった暮らしとあまりにも対照的すぎて。 知らず知らずに大粒の涙がぼろぼろと溢れていく。 水銀燈はもういない。私が、彼女を見捨てたのだ。私が、彼女を裏切ったのだ。 私は一人。でも、それは仕方ないのだ。先に一人になったのは水銀燈の方だから。 思わず水銀燈が使っていた机にそっと触れてみる。引き出しを開けても、そこはもぬけの殻。 「あんなに、片付けできなかったのに。綺麗に片付けてあるじゃない……」 机に置いていた手をぐっと力強い拳に変えた。そのまま力任せに机を叩いた。ガタンと大きな音がしたが、壊れることはなかった。 痛かったけれど、そんなことは気にならなかった。それよりももやもやした気持ちを殺したかった。 もう一度、机を叩こうとしたときだった。隣接するゴミ箱の中で何か光るものが見えた。 それを拾い上げて、再び声をあげて泣いた。ぎゅうとそれを掴んで溢れる涙も拭かずに泣き続けた。 「ばか……水、ぎ、とぉ……ばかぁぁ」 先程、私の薬指に嵌めたそれと同じデザインのそれを握りながら私は再び机を叩いた。 それ以来、私は返事の返ってこない部屋にただいま、と言い続けている。 退院した私を蒼星石と翠星石は盛大に祝ってくれた。しかし、二人には悪いが、私の気持ちは晴れやかとは言えなかった。 また今日も暗い部屋に向かってただいま、と言わなければいけない。 学園と寮は少し離れていて、その道をとぼとぼと歩いていた。 小さな溜め息を一つ吐いて、寮を見上げる。二階の、一番左側が私の部屋だ。 「え……電気、点いてる……」 思わずそう呟いた。いつも暗かった自分の部屋に明かりが灯っている。 きっと、翠星石か誰かがいるのだ。時々そうやって私と水銀燈の帰りを待っていたりすることがあった。 そう、水銀燈なわけない。 心ではそう思っていても自然に足が早まる。水銀燈がいる! 「すいぎ……っ!」 勢いよくドアを開けて彼女の名を呼ぼうとして、──やめた。 「ごめんね。水銀燈じゃないんだ」 優しいオッドアイの瞳。蒼星石は気分を悪くするわけでもなくにこりと笑うとそう言った。 「思い出してたんだね。水銀燈のこと」 「えぇ。……ごめんなさいね」 閉まった扉を背にしてもたれかかった。自嘲気味に笑って、前髪をかきあげた。 「笑っちゃうでしょう? 思い出して、そしたらもうあの子はいない」 蒼星石は何か言いたげに口を開いたが、それを防ぐように早口で捲し立てた。 「蒼星石も入試もうすぐなんでしょう? 私のことは構わないでくれるかしら」 「あいにく後は結果を待つだけなんだ。昔から姉のお節介ばっかり焼いてたから、これは僕の仕事なんだよ」 にっと自信ありげに微笑んだ蒼星石は数枚の紙を取り出した。 まぁ、座りなよ。と言われてここは自分の部屋だと言いかけて、やめた。 大人しく、備え付けの机の前に座った。 「これが、水銀燈の行った大学の案内だよ」 机の上に落とされたそれはアルファベットの並んだパンフレット。 「そしてこれがこの日本語訳」 そのパンフレットとそっくりそのままの絵だが、アルファベットの部分が日本語になっている。 「水銀燈が受けたのは医学部。まぁ、学科までは分からないけど」 ぺらと捲られたパンフレットの医学部の部分に赤丸がつけられていた。 「この大学は幸いにも総合大学だから文系の学部もあるよ」 更に捲ると法学部、文学部など、文系の学部の案内のページがあらわれた。 「君は、法学部に行きたいんだったね。真紅」 「…………何が言いたいの」 「何も。僕は、『何も』だよ」 ただ、と彼女は付け加えた。 「彼女はどうかわからないよ」 そう言ったと同時にバンと勢いよく部屋のドアが開き、驚いて振り向いた。 「私は黙ってませんよ」 蒼星石の姉、翠星石が立っていた。 「あいにく、世話焼きなのは姉の役目なんですよ」 翠星石はまるで自分の部屋にいるように颯爽と歩くと蒼星石の隣に腰かけた。 「会いたくないんですか。水銀燈に」 「そりゃ……。会いたいわよ」 なら、と机を乗り越えようとせんばかりの勢いで翠星石は私に詰め寄った。 「真紅なら分かるはずです! 何をすればいいか!」 翠星石の綺麗なオッドアイが私を見つめる。 ぎゅうと心臓が掴まれたような痛みが走って思わず眉をしかめる。 「私だって、会いたい」 「なら、」 「でも!!」 翠星石の言葉を遮った私の声はびくりと彼女の肩を揺らさせた。 水銀燈は去っていった。私に黙ったまま、私を置いて行こうとした。 それは、つまり──。 「私を拒絶したってことでしょう?」 「違いますよ! アイツが真紅を見捨てるわけないです!」 「貴女に何が分かるって言うのよ!」 「翠星石──」 そう呟きながら翠星石の肩に手をかけた蒼星石は彼女を宥めるように頭を撫でた。 「後は、真紅が決めることだよ」 「っ……ですが、」 「翠星石」 帰ろう。そう言われた翠星石は悔しそうに眉を歪め、蒼星石に促されるままに立ち上がった。 「真紅」 ドアを開けようとした蒼星石がそう私を呼んだが、私は振り向かなかった。 「これだけは言える。水銀燈は、君を拒絶してなんかない。あと、──」 私のとこまで戻ってきて一枚のメモ用紙を差し出した。 「みつさんがドイツ語を専攻しててね。彼女に聞いたお薦めの参考書の一覧」 それだけ言うと二人はドアを開けて出ていった。 「水銀燈……」 そう呟いても、もちろん返事はない。 もう返事のない部屋にただいまと言うのは嫌だ。ならば──。 「待ってなさいよ、水銀燈」 真紅は蒼星石が置いていった一枚の紙を握りしめた。 終わり 名前 コメント
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6 入り口に飛び込み辺りを見渡して、並んだ郵便受けのひとつに成歩堂の名を見つけた。 (703号室!) 7階なら、飛び降りて死ぬのに充分な高さだろう。 そんな想像が脳裏をよぎり、真っ青になってセキュリティのキーボードに703を入力しインターホンを鳴らす。 … …… ………ッ 「…はい」 春美の涙混じりの声で返事が聞こえてくるまでの間、糸鋸はまるで生きた心地がしなかった。 「ここと部屋のロックをはずすッス!早まっちゃいかんッス!」 「え…?」 「と、とにかくここを開けるッス!早く!」 …ガチャ、と中戸の鍵が開くなり彼は脇目もふらず中に入った。 エレベータなど待っていられるかとばかり、物凄い勢いで非常階段を駆け上がる。 (なんて…) 息切らし二段飛ばしで走りながら、糸鋸は自分の馬鹿さ加減が腹立だしかった。 春美の親戚や児童課などに任せてはおけぬなどと偉そうなことを考えていながら、 今ひとりにしてはいけない彼女から目を離した自分の迂闊さが呪わしかった。 後になって考えてみると、糸鋸自身この時の彼はよくよく慌てていたと思う。 そこまで想像を膨らませることは無かったのだが、 春美の身に万が一のことを考えたこと自体は彼の純真さの表れと言っていい。 「…ゼイ、…ゼィ……」 7階を登りきり、肩を上下させるほどの荒い呼吸を整えもしないまま、 刑事は703号室のドアを開けた。 中は明かりが点いていない。 糸鋸は一瞬、顔から再び血の気が引いていくのを感じた。 …が。 息が収まっていくにつれ、暗い部屋の中ですすり泣く春美の声にやがて気づくのだった。 「…ハルミちゃん?」 糸鋸は壁にある蛍光灯のスイッチに手を伸ばしたが、 「…だめ………ッ」 という春美の声に止められる。 「…点け……ちゃ、ダメです…………。 ……ごめ、なさ…刑事さん……もう少し…待っ…」 春美はひとり、ダイニングルームの真ん中でうずくまって嗚咽を上げていた。 「…」 糸鋸は言葉を失った。 しばらくそのままだったが、やがて春美は震える声をあげる。 「…洗濯したって……たたんだって…もう…………」 暗闇に目が慣れてくると、春美は胸に何かを抱いているのが見えた。 真宵と成歩堂の服だった。 彼らの服に顔を押し当てながら途切れ途切れそう言って泣きじゃくる春美の姿が、 針のように糸鋸の胸を突き刺した。 霊媒道に生まれついた子として、常にひとの死と霊魂に接して育ってきたはずの少女。 しかし、こうして家族の死に打ちのめされる姿を見るかぎり、 そんな生い立ちとは関係なしに…ただの、普通の女の子でしかない。 なぜこんなにも過酷な運命ばかりがこの娘の身にふりかからなければならないのか。 (…神も、仏も無いッス) 糸鋸は唇を噛み締めて、心の中でそう呟いた。 「ひとりになっちゃった…刑事さん。私、ひとりになっちゃったよぅ……」 涙と鼻水でクシャクシャになった顔を上げて、春美は呻く。 (このコは…) 涙を見せまいと、ここで少し泣いてからクルマに戻るつもりだったのだろうか。 糸鋸はその健気さに胸に熱くこみ上げてくるものを感じて、春美の小さな肩を抱いた。 糸鋸の手は、まるで春美の体を全て包み込むかのように大きく暖かい。 「あ…あぁぁぁ……ッ!」 春美の、それまで堪えていたものが突如堰を切ったように流れ出た。 「わぁああああぁぁぁ………あぁぁぁぁ…ッ」 自分の胸にすがりつく少女の、悲痛な感情のほとばしりが糸鋸の耳を打つ。 糸鋸には、ただ黙って抱きしめてやることしかできなかった。 …春美は、クルマの中に居る間もずっと泣き続けていた。 やがて泣きつかれて眠ってしまった彼女を老父母の居る実家に預け、糸鋸は再び署に戻って来た。 実家は片道でクルマを2時間ほど飛ばした場所にある。 署に戻るころには既に夜が明けようとしていたが、彼はそのまま地下にある射撃場へと足を運んだ。 時間外の施設使用は規則違反だったが、そうでもしなければ気の高まりが収まりそうになかった。 (自殺じゃ、ないッス) それは断じて違う、と糸鋸は考える。 (ふざけてて転落?………ま、まぁそれはあるかもしれないッスけど…) 生前の真宵の性格を考えると、このあたりは自信が無い。 (…けれど、恐らくそれも違うッス) 決して定かとは言えないが、彼の刑事としての勘が「それは違う」と言っている。 自分自身の勘があまり当てにならないモノなのは糸鋸自身理解していたが、 この場合はそう思わなければやりきれなかった。 この事件の裏には何者かの悪意があるのだ、と。 (もし誰かの思惑でこうなったというのなら…) 糸鋸はリボルバーの引き金を引いた。 マグナムの轟音が密閉された射撃場に鳴り響く。 (絶対に、犯人を捕まえてやるッス!…でなけりゃ、報われないッス!) 2発、3発と続けざまに撃った。 お世辞にも正確な射撃とは言えないが、ターゲットに弾丸が当たった箇所は例外なく吹っ飛んでいる。 むろん制式銃ではない。人一倍の体格と指の太さを誇る彼が、 自分で使いやすいものを申請した銃だった。 …その名にキングコブラという毒蛇の王者の名称を冠している。
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リビングに駆け込んできたソーダの、第一声。 「ママーっ。ソーダひとりでねんねするーっ」 ……ソーダとの生活で、色々驚かされる経験をしてきた私だけど、これほどまで驚かさせられるとは思わなかった。 あの、甘えん坊のソーダが、一人で寝る? 夜になってから言うのだから、昼寝という訳ではない。 確かに、仕事で遅くなる時はソーダに添い寝をしてあげることは出来ない。それでも、他のお姉さん達が付き添ってくれているのは確実。一人で寝たことなど、これまで一度もないと思う。 「え、えっと……大丈夫なの?」 コーヒーの入ったマグカップをテーブルに置き。満面の笑みを浮かべるソーダに顔を向ける。 「うんっ。てんちゃんがー、おねーさんはひとりでねるんだよーっていってたー」 「お姉さんって、ねぇ」 そのお姉さんと呼ばれるには、ソーダはまだまだ幼すぎると思うけど……。 と、隣に座っていた爆弾岩さんが、あたしの肩に手を乗せる。 「いいんじゃないかしらぁ。たまにはそういう経験も必要よ?」 「でも、まだソーダは……」 「小さくても、宝石乙女は一人で永い眠りに就かなければならないこともあるの。次のマスターを探す時に、ね。ソーダは生まれたばかりで経験はないけど、それは避けられないことなのよ」 穏やかだけど、寂しそうな表情の爆弾岩さん。 そんな生々しい話を聞かされては、あたしから言う事なんて何もなくなってしまう。 ……きっと、宝石乙女には必要な事。 「はぁ……じゃあ、ちゃんと暖かくして寝るように。分かった?」 「はーいっ」 元気な返事をされても、心配なものは心配だ。 真っ暗な子供部屋。その中央にあるのが、ソーダの寝床である宝石箱。 普段は、ソーダが寝付くまで傍にいて、眠ったところを計らってあたしが蓋を閉めている。 だから、暗い部屋の中で、蓋が閉まった宝石箱が一つ置かれているのは、何故か落ち着かない。 静かに寝てるの、かな……。 「心配?」 背後から、爆弾岩さんが部屋の様子を覗き込む。 「当然ですよ。あんな甘えん坊がいきなり一人でなんて」 「でもぉ、【ソーダのマスター】ちゃんだって、小さい頃は一人で寝るようになったのもいきなりじゃない?」 「それはまぁ……」 それでも、小学校に入ってからやっと一人で眠れるようになった訳だけど……。 でもソーダはどうだろう。まだ精神的には幼すぎるような気も。 「すっかり過保護なお母さんになっちゃったわねぇ」 「ちょ、爆弾岩さん……うぅ」 否定出来ない。昔はこの年でシングルマザーはダメだと言っていたのに。 「まぁ、貴女も明日早いんでしょ? ちゃんと寝るようにね。じゃあ、あたしは帰るわぁー」 「え、ええ……おやすみなさ……ひゃあぁっ!」 耳たぶに吐息を吹きかけられ、思わず声を上げてしまう。 文句の一つも言ってやろうと振り返るも、爆弾岩さんの姿はすでに無い。 まぁ、いいか。とりあえずソーダも静かに寝てるみたいだし、そろそろ寝る準備でも。 「……ママぁ」 寝言なのか、部屋の方からソーダの小さな声が聞こえる。 いつもと変わらぬ暗闇に包まれた寝室の天井。 なのに、今日はそれが気になって眠れない。 隣の部屋で眠るソーダだって、いつも通りのこと。普段と何ら変わらぬ夜のはず。 寝返りを打ち、二つの部屋を仕切る壁へと顔を向ける。 床を挟み、この白い壁の向こうで、ソーダは眠っている。 いつも通り眠れただろうか。また熱いと文句を言って、毛布をはがしてはいないだろうか。 ……気になって仕方がない。 「はぁ」 ――明日も仕事だ。 そう自分に言い聞かせ、反対側へ寝返りを打つ。 大丈夫大丈夫。明日の朝、きっと一人で眠れたと自慢するソーダの姿を……。 「ママぁ」 ……あれ? 「ママ……ねんねしちゃった?」 何で、ソーダの声がすぐ横で? 寝返りを打ち、再び壁の方へと顔を向ける。 「わっ」 思わず声が出てしまった。振り向いた瞬間、ベッドの上に乗ったソーダの顔が目の前にあるのだから。 「ママぁ」 そして、あたしの顔に抱きついてくる。ちょっと苦しいが、我慢。 「あのね、ねんねがんばったんだよ。でもぉ……」 やっぱり、一人で寝るには心細かったかな。 でも、泣いていないところは偉い。いつもなら泣きながら抱きついてくるところなのに。 一人ではまだ眠れないけれど、少しずつ成長しているんだ。 「ソーダ、おねーさんはめー?」 「ん……そうだねぇ」 「うぅ」 暗闇でも分かるぐらい、残念そうに俯く。 でも、まだお姉さんにはならなくていい。多分それが、あたしの本音だろう。 だって、まだ子離れが出来ていない、駄目なママなんだから。あたし自身の心の準備が出来るのは、まだ時間が掛かりそう。 「ママぁー、ねんね……」 抱きついていた体を離し、布団の中へ潜り込む、 そして、あたしのパジャマをしっかりと握りしめてくる。 「ちょ、ソーダ。もぅ」 眠れなくても、眠気には苛まれていたのかな。離れないようしっかりとくっついたところで、ソーダの寝息が聞こえてくる。 ……こうして、二人で寄り添って眠るのは久しぶりだ。 「おやすみって、言わなきゃ駄目でしょ」 注意する相手は、すでに夢の中。 そんな小さな同居人の頭を、起こさないよう優しく撫でる。 とても柔らかい、髪の毛の感触。 ◇ 「マスタぁー……あ、あのね、お酒終わりにしてね、一緒に寝よ?」 「はぁ? いきなり起きてきたと思ったら……お姉さんになるって、一人で寝るつもりじゃなかったのかよ?」 「にゃうぅー……」
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――――暗い部屋があった。 人の生存を阻み、恵みある太陽を拒絶するかのように、 その部屋には夜のような『暗さ』と、深海のような『静けさ』があった。 その中に、一抹の光が灯る。 蝋燭の火のように儚げに揺れ動くそれは、 ブゥゥンと低い地鳴りのような音を立て、起動した。 「……だれかが……、」 男が、いた。 始めからそこにいたのかもしれないし、 突然、現われたのかもしれない男が、いた。 「『同じような能力』を持っただれかが……【矢】の、存在に気づいたな……」 男の声は暗闇に溶け込むように空気に響くことなく消えていく。 男は目の前にあるキーボードをすばやく叩くと、猛禽類のごとき鋭い目に、 愛憎を溶かし込んで画面を見た。 「一人でいいのだ……ッ! 『DIO』が死んだ今……【矢】の存在を知るのはわたし、ただ一人だけでいいのだッ! 『DIO』もそうだった……『止まった時の中』を動けるもう一人が現われたために、敗北した。 ……【矢】を知るものはこの世界で“わたし一人でなくちゃあならない”ッ!! 『帝王』を消すのは後だ。まず……やるべきことは……」 男はパソコンの電源を切ると、煙のようにその場から消え去った。 たった一つの明かりを失った部屋を――、 再び、闇が埋め尽くした。 「なぁー? 聞いた話なんだけどよ、今日転校生くるらしーぜ」 朝っぱら、教室に入るなり聞こえてきた谷口のセリフに、 俺はさっそく、今日一発目の深いため息をつきたくなった。 第一話『転校生、広瀬康一』 転校生ってのはなんだ……? いや、別に転校生って意味が解らないんじゃなくて、 『それ』が悪いと言ってるわけでもなくて、ただ悪い予感がするだけだ。 これ普通の学校なら転校なんてどーだっていい。いやほんとーに。 だが、この学校は違う。 少なくとも、俺の周りにいるメンツのことを考えば無視できる存在じゃない。 突然の来訪者といえば既に超能力者がいる、加えて未来人も宇宙人もうちにはいるけど こんどは何人が来るって言うんだ? 『巨人』? 『小人』? ……あ、わかった『地底人』だな? 頬杖を付いて半ばあきらめに気味に思考をめぐらせる。 ため息が湯水の如く溢れてくるよ。 「いや、今日職員室の前通りかかったときによ、岡部が誰かと話してるの聞こえたんだよ」 揚々とした口調で谷口は続ける、 ・・・・・・・・・・・・・ そんなこと聞いてない、むしろどうでもいい。そんなとこは問題じゃあない。 【転校生】なんていう期待と不安をごっちゃ混ぜにしたような素敵不敵なキーワード、 『あいつ』が反応しないわけが無い……。 案の定、俺は背後から嬉々とした表情のあいつが迫ってくるのを感じた。 ……はぁ~っ…… 頭を抱え、また一つ、 今度はより深く、より大きなため息をついた。 「ど、どうも。杜王町のぶどうヶ丘高校から来ました広瀬康一です。 どうか、よろしくお願いします」 そう言って、ぼくは頭を下げた。 後ろからカツカツ音がするのは、おか、おか――、えーと……岡部先生が 黒板にぼくの名前を漢字で書いてくれてるからだとわかる。 今、正直、ぼくはほんのチョッピリ恥ずかしさを感じている。 新しいく袖を通した制服は仗助くんたちからよく似合ってると言われたが、 学ランじゃないせいなのか、おニューだからか、着てるとなんだかムズ痒い。 今まで散々お世話になった学ランは、家のロッカールームに眠ってもらった。 髪型は朝、変じゃない程度に整えたし……鞄だってしっかりとある。 おかしいところなんてないよね? 先生に支持された席に身を小さくして座り、 ポケットから一枚の【写真】をこっそりと取り出した。 写真に写っているのは一人の女の人。 なんでも、SPW財団の調査による、重要人物らしいんだけど…… 周りからはぼそぼそと聞こえる程度の声で、雑談が聞こえてきた。 おもに「ちっさいな~」とか「あいつ高校生なの?」とか 失礼なものばかりだったけど、一部からは「カワイイ」とか黄色い声も 聞こえてくる。 うーん……嬉しいんだけどさぁ、 このこと由花子さんが知ったりしたら、大変だなぁ。 髪を伸ばして「康一君をたぶらかしやがって、このクソアマが――ッ!!」と わめき散らす由花子さんをのほほんと思い浮かべつつ、 ぼくは承太郎さんから引き受けた【仕事】を果たす第一段階として、 これからクラスメイト――もしくは、敵や味方――となる人たちを、見渡すことにした。 「なんだ、意外と普通だな」 失礼かもしれないが、俺は転入してきた人物を見て素直にそう思った。 ほっと胸をなでおろし、同時に訪れた安堵に息を漏らす。 『広瀬康一』と名乗った転校生は、髪が金髪で背が小学生並み! (下手すると長門より小さいかもな……)というところを除けば、 至って普通な高校生のようだ。 あのウブそうな顔つきもふつーに気の弱い転校生って感じだし、 演技してる様子じゃないと思う。 いつかの『古泉』のような胡散臭さもしない。 悪いなハルヒ、この少年は完全に一般人だぜ。 心の中で皮肉に言い、体を椅子に預けた。 パイプの部分がぎしっと小さな音を立て、軋んだ。 横目で広瀬の方を見てやる。 ――よかったな。 おまえはきっと、俺と違って変なことに巻き込まれることなんかないぞ。 感慨深く物思いにふけっていると、いきなり後ろから方を掴まれた。 ……はいはいっと。今振り向きますよ、団長さん。 教室を見渡すと、直ぐに写真の人は見つかった。 ざわざわと騒がしい中でひときわ大きく騒いでいる人がいて、 嫌でも目に留まった。 ケンカ腰で話ている2人の男女。 そのうちの1人が写真の女の子、名前は『涼宮ハルヒ』というらしい。 一見して別におかしなところは無い、それどころか普通にかわいいこの子こそ、 承太郎さんが言うには 『【矢】に関して重要な意味を持つ“かも”しれない人』、とのことだった。